ペンクリニックで万年筆の診断! キモチよく使い込むためにも定期検診を

penclinic

お気に入りの万年筆なんだけど、使ってると気になるところがある。

そんな万年筆ユーザーの悩みを解決するのが、パイロットやセーラーなどが各地で行っているペンクリニックです。このペンクリニックは,ペンドクターと言われるペン職人が,全国各地の万年筆販売店を回って,万年筆の修理,調整を行ってくれるイベントのことです。職人の方を目の前に要望を聞きながら調整してくれる貴重な機会は滅多にないので、開催を知ったら足を運んでみてください!

ちなみに、今回お世話になったのは伊東屋渋谷店で1月23日、24日の二日間のみ行われていたパイロットのペンクリニックでした。

アクセス: 渋谷店 | 銀座・伊東屋

 

記事の内容をざっくり紹介!

  1. ペンクリニック1本目: パイロットのキャップレス
  2. 出した調整の要望は、インクの出を良くしたい!
  3. ペンクリニック2本目: ラミーのLAMY2000
  4. ペン先のズレが発覚! 即調整!
  5. まとめ: 万年筆のポテンシャルの高さを知る! こんなすごい子だったんだね♫

 

ペンクリニック1本目: パイロットのキャップレス

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出した調整の要望は、インクの出を良くしたい!

DSCF0332 一口に「調整」と言っても、色々な注文があります。下のような注文が多いようです。

  • インクフローの変化 (もっとインクを良くする、しぼる)
  • 字幅の調整 (細く・太くなど)
  • ペン先の滑りを走らせる (引っかかる・横滑りが良くないなど)
  • ペン先曲がり調整 (床に落としたなど、重度の場合は修理対応)
  • 全体的にチェックしてほしい (新品調整など)

この中で、「インクフローを良くしてください」をお願いしました。

 

キャップレスを受け取り、職人がペン先の具合などをチェック。そして、雑談をしながら作業へ。

広げられるペン先。インキで濡れる職人の手。ぐいぐいっと指が押し入る。そんな作業に見とれながら、「どうぞ。」と万年筆を差し出され、我に返る。やすりの上での伽を見忘れたのを残念に思いつつ、数秒で調整された万年筆にビックリしました。

「インクが走ります、すらすら書けます。」 そこからは最終調整だったのですが、その書き味に驚いて、ニヤニヤは止まらずでした。一本目のキャップレスの書き味には大満足でした。そうして感動しつつ、次の万年筆の症状を聞かれました。

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ペンクリニック2本目: ラミーのLAMY2000

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ペン先のズレが発覚! 即調整!

DSCF0334 LAMY2000の具合を早速聞かれました。

早速答えたことは、「この万年筆は安く譲っていただいたもので、ちょっと状況を確認してもらいたいんですが…。」「あと、若干ひっかかりを感じるときもあって…。」という話を聞くと、ルーペを覗き込む職人。「これは書きにくさを感じるね。ペン先が若干ずれてるよ。でも、書いている内についた癖かもしれないし、どうする?」予想外の診断結果に驚いたのですが、ここはペンクリニック。せっかくなので、直してもらうように頼みました。

 

職人の作業中、私の目は行ったり来たり。

職人の手元はせわしく動き続けていた。ルーペでペン先を見て、ペン先をちょっといじる。ちょっといじったら、またすぐにルーペを拾ってペン先を見る。その繰り返しが続く。その傍ら、職人が整備した未体験ニブ万年筆(フォルカンやウェーバリー)の書き味に唸り、だらしない奇声をあげている人、それは私。

太字欲しいなーと思いつつ、職人の工程に変化が見える。スリット(割れ目)に薄い金属板を差し込んで、ぐいぐいと押している。意外と万年筆って頑丈に出来てると思っていると、工程もあっという間にフィニッシュが近づく。万年筆談義をしていると、LAMY2000の調整が終わったようでした。

 

万年筆を持って、いざ紙に向かう。「あ、この感覚、きたー!」

10分ぐらいの間に、もう一度大きな感動の波がやってきました。感じていたひっかかりがまるで無くなっている。普段とは異なる入手の仕方をした万年筆だからこそ、ペンクリニックで調整してもらえて救われた思いがしました。LAMY2000のいぶし銀な佇まいに似合う、凛とした筆記線。もう、よだれが止まりません。

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☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!

今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、

万年筆のポテンシャルの高さを知る! こんなすごい子だったんだね♫

です。

 

私が行ってみた時間帯は正午過ぎ。正直、長時間待つことも覚悟していました。しかし、何も待たずにすぐに調整に取りかかってもらえました。

ペンクリニックのいいところは、メーカーを問わず無料で修理・調整してくれるところです。ただし、ペンクリニックにモンブランだけは持ち込まないのが暗黙の了解となっているようです。調整の最中に雑談をしながら聞いたのですが、後で揉めることが多いようです。

ちなみに、ペンクリックの開催地や開催日などはメーカーによって異なります。しかも、セーラーでは公式サイトでクリニックの予定を公表してくれているのですが、パイロットは実施店舗でのみの告知です。私の場合、伊東屋のFacebookアカウントをフォローしているので知ることが出来ました。文具屋さんのアカウントはイベント情報・新商品入荷情報も多いので、フォローしておくと掘り出し物情報に出会える確率が増します!!

イベント情報 | セーラー万年筆 |公式ウェブサイト

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