万年筆を購入する際には、試し書きすることをオススメします。
しかし、初めて万年筆売り場を訪れた人にとって、店員さんからの「お試し書きされますか?」には戸惑い、敷居が高いように感じるかもしれません。店員さんに見られながら、一体何を書けば良いのか?
「好きな名言や言葉? 目の前にあるモノの名前?」ただし、そんな心配をし過ぎていると、試し書きの目的「万年筆の書き味チェック」から意識が遠のいてしまいます。今回の記事では、2つの例と1つのあまりオススメしない例を紹介したいと思います。
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この記事の内容をざっくり紹介!
目次(ざっくり内容紹介)
オススメの例① 「日常でよく使う文字」
まず、一つ目のオススメは日常でよく使う文字を書くことです。
つまり、最も書く機会が多い自分の名前や住所を書くのがオススメです。初めて万年筆の試し書きをすると、普段使っている別の筆記具(ボールペン・シャープペンシル・鉛筆)との書き心地の違いに驚くと思います。
そして、その感覚の違いを明確するためには、やはり書き慣れている文字を書くことが一番の方法です。ですから、書く機会が多い漢字を、普段と同じペースで書くのが良いと思います。
(ただし、万年筆売り場の試し書き用紙を見てみると、個人情報その通りに書いて置いていく人がいます。店員さんが気づけば処分してくれると思いますが、順番を変える、○○市ぐらいで留める、又は自分で処分すべきです。)
このほかであれば、試し書きで良く書くのは、「ありがとう」「こんにちは」などのあいさつ文。他には、使う万年筆の用途は既に考えている場合、特に私が税理士試験で使う万年筆を購入した際には会計用語を高速でひたすら書いて判断しました。
オススメの例② 「永」と「裁」という漢字
パイロット社の万年筆試し書き用紙には、EF(極細)~BB(極太)で書いた「永」の字が印刷されています。
書道でも基礎の字として「永」が認識されているように、この漢字には日本字特有の とめ、はね、はらい、横線、縦線、点など、すべての要素が含まれています。「インクの出具合」や「書きにくい方向の有無」などを確認する為に便利な漢字です。
オススメしない例は、くるくるっと円を描くこと
万年筆の試し書き用紙を見てみると、クルクルッと円を描いている人が多いです。
この円を描くようにペンを滑らせているのは、あまりオススメできません。インクがちゃんと出るか、ダマにならないか、線が途切れないか、そういうことを確認するボールペンの試し書きならば、ぐるぐるでもいいと思います。しかし、今回は万年筆であり、そんなことをする必要はほとんどありません。それに、実際万年筆を使う際に、クルクルばかり書く人はいないと思います。
また、オススメしない理由のもう一つは、クルッと書いた書き味は英語(アルファベット)を書くのと似ていて、日本語とは異なるからです。国産の万年筆と舶来万年筆では、海外のモノの方が1段階ほど字幅が太い傾向があります。これは日本語には画数の多い漢字があるからです。英語筆記がメインの方はその書き方もいいのですが、日本語を書くという人は試し書きでも日本語を書いて字幅が合うかどうかのチェックをオススメします。
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
何を書いてもいいけど、せっかく書き味試すならお馴染みを♫
です。
最近、万年筆売り場をはじめて訪れる友人に同行してきました。
そして、万年筆の試し書きをすることになり、万年筆を受け取ったのですが固まっていました。「なにを書けばいいかわからない。」
その時に「なんでもいいよ」と返したところ、円をぐるぐると書き出し、快適な書き心地に満足しすぐさま購入しようとしていたのですが、さすがにストップをかけました。「普段使う日本語を書いてみた方がいい」とアドバイスしたのが、今回の記事を書くキッカケとなりました。
そして、友人は日本語を書き、更に満足して購入を決めていました笑