ローラー&クライナーの万年筆用インク・スカビオサ。耐水性がある没食子インクとしては珍しい紫色

scabiosa水や光に強い没食子(もっしょくし)インクにしては珍しい「紫色」の万年筆インク、ローラー&クライナーのスカビオサ。

没食子インク、その別名は古典BB(ブルー・ブラック)と云われる代物です。この古典BBは耐水性と耐光性を兼ね揃えているため、万が一にも備えて私は重宝しています。しかし、メンテナンスを怠ってしまうと、万年筆が使えなくなる可能性があるインク、というイメージを抱き、敬遠気味の人も多く、実際に古典インクの選択肢は減ってしまいました。

今回の記事で紹介するローラー&クライナーのスカビオサは、古典インクとしても珍しい紫色(パープル・ブラック)のインクです。

記事の内容をざっくり紹介!

  1. インク・スカビオサの色合いをチェック!
  2. インク・スカビオサの耐水性をチェック! どれほどのもの??
  3. 残された古典・没食子インクの選択肢を慈しむ。
  4. まとめ: 段々黒に落ち着いていく紫色の没食子インク、ローラー&クライナーのスカビオサ。

 

インク・スカビオサの色合いをチェック!

DSCF1742DSCF1743DSCF1744DSCF1745DSCF1746DSCF1747DSCF1723時間が経つにつれ変わっていく色。乾燥するほど紫色が濃くなり、紙にしっかりと定着します。

通常、没食子インクは「ブルー・ブラック」が主な色合いですが、スカビオサは異彩を放つ紫色の古典インクです。書いた直後は鮮やかな発色、そして時間が経つにつれ落ち着いた色合いに変化していきます。鉄の酸化反応(タンニン鉄化合物)での落ち着いた色への変化、ノートに文字を綴っていっても目に眩しくないため気に入っている存在です。

ちなみに、このインクの名前、スカビオサ(Scabiosa)[別名:マツムシソウ]は、キレイな青紫色の花を咲かせる植物から来ています。スカビオサはラテン語で「疥癬」を意味しているのですが、スカビオサにはおそらく没食子(ブナ科の植物の瘤)は出来ないと思います。

 

インク・スカビオサ耐水性をチェック! どれほどのもの??

DSCF1753DSCF1754DSCF1755参考までに、一般的な(染料)インクの流れ具合。ペリカンのロイヤルブルーがだいぶ水に溶けました…。

DSCF1748DSCF1758DSCF1749DSCF1759DSCF1750DSCF1760スカビオサで書いて間もなく、水滴を落として試しました。

ティッシュで水分を拭き取ってみると、しっかり定着する前ということもあり、多少の染料分の滲みがありますが、先程の例まで溶け出すことはありません。耐水性のあるインクのお陰で安心して万年筆を使える、そう思える存在です。

実は、以前の私は、水なんて掛かることないだろう、と高を括っていました。そのため、色彩豊かな染料インクを使っていたのですが、ある夏場、飲み物の結露を拭き忘れ、紙がべちょべちょになって読めなくなってしまったことがありました。そこから急遽不安にかられて頼ることにしたのが没食子インクです。

水に強いため、宛名書きでも、飲み物をこぼしてもなんとかなるだろうと信じれるインク。この独特の色変わりと、効能を持っている古典インクのはファンです。ちなみに、万が一、このインクで書いたものが濡れてしまった場合、水気をきる際には上から抑え、広がらないようにするのがコツです。こすってしまうと古典インクといえども、インクが流れ出し、紙が汚れてしまう可能性が大いにあります。

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残された古典・没食子インクの選択肢を慈しむ。

DSCF1761残っているのは、ペリカン、プラチナ、英雄、ダイアミンのレジスターズインク、ローラー&クライナーのサリックスとスカビオサ。

以前は、この他にも古典BB(ブルー・ブラック)として、モンブランとラミーから出ていました。しかし、ラミーのブルーブラックのボトルインクは2011年12月に通常の染料インクへと変え、2013年にはモンブランも撤退しました。古典BBは少なくなっていますが、残してるメーカーには頑張っていただきたいです。

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☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!

今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、

段々黒に落ち着いていく紫色の没食子インク、ローラー&クライナーのスカビオサ。

です。

 

顔料インクを万年筆用には製造できなかった時代に重宝された没食子インク(古典BB)。

ブルーブラックといっても、ただの黒っぽい青ではありません。筆記直後はブルーで段々とブラックに変わる特殊なインク。時間経過で青みが消え、黒っぽい、真っ黒でもない、黒寄りの青。この色には遥か昔から伝わる懐かしさを覚えるのですが、他の染料インクでは出ず、没食子インクは段々少なくなっていて寂しく思っています。

古典インクが敬遠される理由であがるのは、「金メッキやステンレスペンの場合には、腐蝕(さび)てくることもあること」です。取扱いに要注意な古典インクよりも、普通の染料インクならば、メーカーの扱いも楽で販売管理しやすいでしょう。ただ、万年筆自体の手間やインクを棲み分け、分かった上で使っているユーザーもいます。しっかりとメンテナンスをして使えばいいので、没食子インク根絶は絶対にイヤです。(顔料インクを使えば良いかもですが、こっちのほうが扱いにくいと思ってます…。)

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