数ある万年筆の中で、最高峰のコストパフォーマンスを誇る廉価万年筆の紹介です。
今回紹介するのは、プラチナ万年筆のプレピーです。2000円以下で購入することを考えると、所有欲が満たされることを抜きにすればオススメできる逸品です。
記事の内容をざっくり紹介!
- 210円故、高級感はどこ吹く風! 謙虚な実力派
- この書き味を210円で楽しめるとはビックリ!!
- 書き味のヒミツ! ペンポイントには本格万年筆にも使われているイリドスミンあり
- まとめ: 書き心地≠価格! 他の追随を許さない国産廉価万年筆♫
目次(ざっくり内容紹介)
210円故、高級感はどこ吹く風! 謙虚な実力派
老舗万年筆メーカーが作り出したいぶし銀な210円万年筆です。
外見は、透明なスケルトン。天冠とクリップ部分にはアクセントとして色がついています。これは購入時に付属しているインクカートリッジの色と一緒です。また、ボディ越しにインクの残量を確認できるのはありがたいです。
軸には「preppy」としっかりと印字されています。
爪でもはがれないので、残念ながらがっつりスケルトン軸という訳にはいきません。
この部分には、インクが漏れてきたように見えます。
実際、この部分(フィン)を友人が見て壊れてたのか?と聞いてきました。しかし、過剰に供給されたインクがペン先から漏れ出さないようにするためのいわばバッファ領域です。ここに、インクが溜まっていても問題はないです。
また、キャップの中にも小さなキャップ、インナーキャップがついています。
万年筆の弱点の一つであるペン先の乾燥対策に一役を買っています。また、バネつきのインナーキャップであり密封性が高いです。また、ペン先はキャップ同様色があわさり、カラーの塗装仕上げになっています。しかし、ここは取れてしまいやすい部分でもあります。
キャップは嵌合式であり、閉まり具合は硬かったです。
パチンと大きめの音を立てて閉まります。そして、この部分は脆いです。開け閉めを繰り返し気付いたら、キャップが割れていたという場合があります。気軽に買える値段ということもあり、長期で使いたいという期待には応えてくれなさそうです。
参考LINK: プラチナ万年筆/プレピー
この書き味を210円で楽しめるとはビックリ!!
想像していた安い万年筆の書き味は悪いという想いを拭い去ってくれました。
ペンの太さは03とあるものの、太めな印象です。日頃ボールペンを使っている若い人をターゲットにしたので、馴染みがある数字表記になっています。しかし、万年筆を使ったことが無い人には、おそらく想像よりも太く誤解を与えそうです。
書いた太さとしては、国産の中細(細字と中字の中間)ぐらいだと感じました。定番のカートリッジを使うことも出来、普段使いの勝手もよさそうです。また、バネのようなしなりがあり、プラチナ万年筆の高いラインアップにある#3776に通じるものがあります。
適度によくしなり、面白い感触です。ボールペン筆記時の抵抗感が少なく、それでいてゲルインクのようにインクの出も良く軽く書けるというのがこの万年筆のウリだと思います。
関連記事: プラチナ万年筆の#3776・精進(SHOJI)は、輝く水面のような淡い透明ブルーの万年筆。 顔料インクを使える工夫:スリップシール機構も面白い!≡
書き味のヒミツ! ペンポイントには本格万年筆にも使われているイリドスミンあり
プレピーのペンの先っぽには、立派なペンポイント、超耐摩耗合金ことイリドスミンがちゃんと使われています。
この物質はパイロットのカスタムシリーズ(1万円以上の本格万年筆)などでも使われている由緒正しい物質です。そのペンポイント、高級万年筆でも採用されているペン先の仕様が、たった200円の万年筆でも使われてます。プラチナ万年筆の底力と本気、こだわり、万年筆の市場を広げたいという思いをここに垣間見えます。
プレピーには、たしかにペン先の塗装とキャップの耐久性という弱点は存在します。
しかし、同時に、しっかりとしたペンポイント、スリップシール機構、そしてフローが安定した書き心地があります。200円で買えるならばと、全てを許せてしまうコストパフォーマンスです。安っぽいルックス(本当に安いけども)さえ許容出来れば、万年筆を試したい人には良い万年筆です。
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
書き心地≠価格! 他の追随を許さない国産廉価万年筆♫
です。
本格的な万年筆を常用していることもあり、万年筆に対する金銭感覚が麻痺していますが、200円ならば安い!はずです。
安いこともあり、私は遊ぶ為に3本購入しました。私が確認した範囲では、どれも書き味の調子は良く、不良品には当たりませんでした。失敗しても買い直せばいいかと思える値段ですが注意は必要。
ちなみにですが、たまたま買った一本だけで、万年筆のことは殆ど分かりません。安い万年筆を購入の際は比較の為にも2本以上、たとえ書き味が悪くても「万年筆ってそんなに良くない…」と早合点をしないでほしいものです。