スポイトで直にインクを入れるというアンティークな方式をとる インドの万年筆「FELLOWSHIP」
万年筆を使う以前に、万年筆に抱いていたイメージを踏襲するような万年筆。現在の主流ではないスポイト注入 アイドロッパー式機構、大きなインク窓、そして滴り溢れ出すインク…。万年筆の原型ともいえる存在だったので、試す価値のある一本でした。万年筆に慣れた人なら面白さを抱ける、少し手を焼く万年筆。インドの万年筆FELLOWSHIPを、今回は紹介したいと思います。
記事の内容をざっくり紹介!
目次(ざっくり内容紹介)
万年筆全体からアンティークな雰囲気が流れ出る。
購入したオレンジ色の、インド製アイドロッパー万年筆。
胴軸には、細長い線が入ったインク窓があります。このインク窓のスリットが歪んでいるのは、インドで作られていることもあり、値段も考慮すれば想定内、ご愛嬌の部分です。また、この万年筆は、胴軸部分にカートリッジやコンバーターを使わず、直接スポイトでインクを入れるという方式(アイドロップ式)です。ここでやはり心配になるのは、インク漏れです。
インクが滴り落ちたり漏れる。これも昔の万年筆に持っていたイメージかも…。
シャバシャバとしてる粘性の低いインクの代表格・パイロットの色彩雫を入れてみました。
この結果は、商品説明の但し書きにもあったので予想通りでした。サラッとしたフローが良いインクは、そのままポタポタと流れ落ちてしまいました。この万年筆と粘度の低いインクの相性は最悪です。注意書きのように、粒子が大きい顔料インク(セーラー万年筆の青墨やプラチナ万年筆のプランセピア等)を入れないと、不安要素が大きく使いにくいと思います。
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*アイドロッパー万年筆の注意点
インド製アイドロッパー万年筆は、粘性の強い顔料インクので使用を前提としてつくられています。粘性の低いインク(国産インクなど)の場合、ペン先・接合部よりインクが漏れる可能性がございますので、ご注意ください。
元祖吸入タイプ・アイドロッパー式(いわば、インク直入れ方式)
スポイト式万年筆のインク補充方法
スポイトで直にインクを入れるというユニークな元祖方式を愉しみたい。
コンバーターがないので、スポイトでインクを注ぎます。胴軸全体がインクでいっぱいになるのでインク容量も多く、インク洗浄も水洗いするだけなので簡単でした。顔料インクを使っても、流水で洗えるのは嬉しい所です。
注意が必要なのは、逆さまの状態で締めるのは半分までということです。
逆さまの状態で全部閉めてしまうと、インクが出ません。半分まで締めたらペンをひっくり返し、そして再度締めていきます。このとき、インクがペン先からこぼれ落ちます。インク瓶の上でペン先を締めれば、ティッシュに吸わせずに済みます。
粒子が大きく、粘度の高いインク「イカ墨セピア」を入れて使っています。
完全に締めた所、インクが全然出ませんでした。そこで閉め切らず、微妙にあけた状況を落とし所にして使うことにしました。
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
不自由さが残るインドの元祖タイプ万年筆を愛でてみる。
です。
値段も考えると好印象な、インドの癖のある万年筆。
癖も使い慣れてくると面白く使えるのですが、気になってしまった点がもうひとつあります。それは、この万年筆の臭いです。なぜか妙にくさいのです。これがインク漏れ防止用のグリスの臭いなのか、オーガニックレジンに臭いがあるのかは分かりませんが、ペンケースに正直入れたくない臭いです。そのため、現在消臭対策を考え中です…。
また、このアイドロップ式の万年筆を入手し、次に気になってる存在こそレシーフの万年筆。ただいま臭いに敏感な状態ですが、イヤな臭いがしなければ購入しようかと思っています。