プランジャー式?? ユニークな吸入方法を備えた台湾の万年筆・TWSBI(ツイスビー) VAC700。
ぷしゅっと押し込むと、じゅわっとインクが充填される。それが、プランジャー吸入方式です。国産の現行万年筆では、カスタム823(パイロット)に継承されているプランジャー式。その力をリーズナブルな価格(一万円以下)で愉しめるコトは、VAC700一番の魅力といえます。
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記事の内容をざっくり紹介!
- ツイスビーのプランジャー式万年筆・VAC700。透け具合もグー!
- プランジャー式の真髄。吸いっぷりが実にキモチイイ!
- スタブ風に調整してもらったVAC700。実用的な一本に化けた!
- まとめ: 目にも手にも楽しいプランジャー式を備えるVAC700。この感覚、ハマる!
目次(ざっくり内容紹介)
ツイスビーのプランジャー式万年筆・VAC700。透け具合もグー!
アンバー色(濃いオレンジ)越しにのぞく中のインク。透明感ある色調にときめく!
ツイスビーの万年筆の内部機構(インク吸入方式)に一般的なコンバータータイプはありません。また、TWSBIにおける万年筆ラインナップの大多数は、内部が確認しやすいスケルトン仕様の軸が採用されています。(クラシックタイプに限り、透明の割合が少ない…。)
中に入れたインクの挙動がほんのりと分かるアンバークリアーカラー。軸とインクの飴色がマッチングして相見える様はなんとも素敵な印象を醸し出しており、ツイスビーの「並々ならぬ透け感へのこだわりっぷり」が存分に感じとれます。
プランジャー式の真髄。吸いっぷりが実にキモチイイ!
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真空状態を作り出す。その刹那、インクがプシュ!ジュワッ!と満たされる快感にハマる。
変わった吸入方式・プランジャー式。この万年筆のモデル名「VAC700」は、プランジャー式の別名・真空式(Vacuum filler mechanism)から来ており、VAC700の最たる特長だといえます。
- ペン先を上にした状態で尻軸を回して緩める。
- 緩んだ尻軸の尾栓を引っ張り上げる。
- ペン先をボトルインクの中に十分沈み込ませ、尾栓を押し込む。
- 尾栓をぷしゅっと押し込むと同時に、インクの水位が一気に上がってくる。
つまり、プランジャー式は空気の負圧を利用した吸入方式というコトです。
ピストンを押し下げることで、軸内部にある空気を引き延ばし気圧が低くなります。その後、ボディ内部の広がった地点にピストンが到達した途端、隙間が生じ圧力差は一挙に解放されます。そのため、ビストンを押し込んだにも関わらず、ジュボボっとインクが登ってきます。
そんなプランジャー式のインク吸入量は、ボディ(インクタンク)の大きさに準じています。VAC700の貯蔵量を水を吸入して試してみたところ、なんと1.8cc程入りました。他のインク供給方式と比べてみても、吸入機構が直結している分、大量のインク吸入が簡単に可能なワケです。
スタブ風に調整してもらったVAC700。実用的な一本に化けた!
豪快な吸いっぷりに合わせて、たっぷりとインクを使いたい。
元々は、太字(Bニブ)を選びました。しかし、調整してもらえる機会があり、DIAMOND580と丸かぶりするのもナニだったので、縦太横細が書けるスタブ風のペン先へと研いでもらいました。
スタブ風で書いた文字にはメリハリがあり、心なしかスッキリと格好良く見えます。標準的なペン先は色々試すことができたので、最近は少し変わったペン種に熱い視線を送っています。
ちなみに、インクには色彩雫の土筆を入れているのですが、プランジャー式という特性上、インクの水かさがそれなりに必要です。インクをはじめて入れようとした際には、残量が少なかったので、別容器に入れて嵩増しさせる方法で吸入しました。
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
目にも手にも楽しいプランジャー式を備えるVAC700。この感覚、ハマる!
です。
憧れていたプランジャー式の片鱗を味わえたVAC700(TWSBI)。
古くからの歴史があるプランジャー式吸入機構。ゴムチューブを使った吸入機構が一般的だった時分に生まれた革新的な吸入機構・プランジャー式は、長い年月を経た今で見ても実用的です。
ビンテージ品(オノトやシェーファー) or カスタム823に手を出さなければ味わえなかったプランジャーのメカニズム。実際に手に取り操縦してみたところ、興味を強く惹かれました。質実剛健で渋さ満点の万年筆・カスタム823、購入するかもしれませんw
そういえば、この万年筆・VAC700もDIAMOND580同様、とみや文具から直接購入しました。
ただし、VAC700は商品入れ替えの為、とみや文具のラインナップからは残念ながら無くなるようです。また、TWSBIの万年筆はモデルチェンジのサイクルが相当早いとも言っていました。
それからそれから、試作品もちょっぴり見せてもらったので、正直ソレがかなり楽しみです。