鼈甲色のシックなボディ、そして、軽やかにしなるチタン製(TITANIO)のニブ。 イタリアメーカー・スティピュラ(Stipula)の万年筆「モデルT・トータス」を此度は紹介します。
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記事の内容をざっくり紹介!
目次(ざっくり内容紹介)
スティピュラ(Stipula)の万年筆「モデルT・トータス」
魅する美しさは さすがは イタリア生まれ。(クリップには天然石が埋め込み)
褐色の文様と飴色の光沢。この色合い・トータス(鼈甲)も 私好みの色です。
この万年筆「モデルT・トータス」は 「世界の万年筆展」(日本橋丸善)にて入手しました。ちなみに、購入時には トータスの在庫は残っており、 何本も出してもらった中から「イエロー」と「オレンジ」の入り方が 特に気に入った軸を選びました。(他のラインナップも非常に美しかったです)
チタンニブの底力。予想よりもたわむ、やわらかい。
チタン製ペン先のやわらかな感触を堪能。(仲谷氏によるペンクリニックにて 調整済み)
未体験だったチタン製のペン先(TITANIO)。購入時、試しに書いてみると「くにゅっとした弾力ある柔らかさ」に驚きました。そして、そんな書き味に惹かれ、家に持ち帰ってきました。
純正のグリーンインクを吸引。いざ書いてみたところ、どうもインクの出が不規則で しっくりと来ませんでした…。「バーゲンにつられて、ひさしぶりにハズレを引いてしまったかな?」と少し気落ちしたワケですが、入手の翌週には「世界の万年筆祭」(日本橋三越)があるコトは織り込み済み。
万年筆祭で開催される ダイヤモンド㈱によるペンクリニックに賭けるコトにしました。
その当日を迎え、ペンクリニックの順番になり、ペンドクターにモデルTを提出。「けっこういじるけど、大丈夫?」と聞かれたものの、現状が不満だったので「調整」を施してもらうコトにしました。
チタン製のペン先がイジられてるのを見ながら、フュージョンニブのコトや 復元力が強く柔軟性のあるチタンの特徴なんかを聴いていると、「こんな感じで どう?」と。
書き出しの気持ち悪さが皆無になり、筆圧をかけたときのギュっ!としなる面白さは顕著に。
調整によって、見事に化けました。だ~っと勢いよく走らせても息切れはなく、手持ちの中、「随一で走るペン先」に変貌しました。(このペンをつかった走り書きは 笑みがこぼれるほど気持ち良い反面、字に緊まりがなく だらしなくなるけどしょうがない…)
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
チタンニブの万年筆 (モデルT・トータス)、タイタン(巨人)に育つ。
です。
最初は失敗の烙印。でも、ペンクリのお陰で変貌。
ラテン語で「一片の藁」(small piece of straw)を意味する「スティピュラ」(STIPULA)。
イタリア・フィレンツェにて、レンゾ・サルバトーリによって1973年に創業されたスティピュラ。筆記具業界に進出したのは1991年のコトですが、心揺さぶる美しくてユニークなモノ(バッサポルト、エトルニア、ヴェド)が作られています。いいなぁ←。