私にとっての万年筆との出逢い、それこそがパイロットのカスタム74です。
万年筆が好きになったきっかけを振り返ってみると、この一本から全ては始まりました。「何かキッカケがあって万年筆を使いだしたの?? けっこう昔から使ってたりするの??」と聞かれたので、想い返してみると、私の万年筆の使用歴は丁度2年(2012.11.25現在)。手に取った理由もミーハーだったと思い出しました。
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記事の内容をざっくり紹介!
- はじめての1万円台万年筆カスタム74を買った思い出。
- カスタム74の見た目は、いかにも万年筆!
- 今までの筆記感を一新させたカスタム74の書き味
- まとめ: 万年筆売り場は、意外と敷居高くない! 本格万年筆の入門モデルとは良き出逢いをしました!
目次(ざっくり内容紹介)
はじめての1万円台万年筆カスタム74を買った思い出
カスタム74を購入したのは、2010年の9月27日のことでした。
その日の日記を見て すぐに目に入るのは、今までとは違うブルーブラックのインキで書かれた私の文字。興奮してるのが伝わってくるようで、「書き味すごい!」「感動!」や自分の名前が異様に書いてあった。その嬉しそうな日記は暫く続いていて、インキや他の万年筆に憧れている様がすごく良くわかる。
ちょっと話を過去に戻すが、私の家族で万年筆を使っている人はいない。と思っていた…。(22歳の誕生日のときに、モンブランのマイスターシュテュック146、No.22、No.1246を祖父母から譲り受けることになるが、当時は知る由もなかった)
そのため誰かから貰った、誰かが使ってて憧れたという記憶は一切なく、昔から文具好きではあったものの手に取りやすい価格のものが精一杯。万年筆は高級であり私なんかが手に取れるものではないというイメージで、選択肢には全くといっていいほど入っていなかった。
そうして、私は大学生に。文具好きに拍車がかかり、センスが良いモノが欲しくなって興味を持ったのは「ほぼ日手帳」でした。母からほぼ日手帳を買ってもらうことになり、選んだのは今もMDノートのカバーとして愛用中のオリーブグリーン色のカバー(ピッグスキン)。
その「ほぼ日手帳」と一緒に使っていたのは、色とりどりのレフィルを持ち、極細があった「STYLE-fit」でした。「STYLE-fit」と「ほぼ日手帳」とは相性が良く気に入っていたのですが、ほぼ日手帳のカバーにつけると、どこか不釣り合いを感じていました。
ほぼ日手帳とスタイルフィットの組み合わせを続けて9ヶ月が経ちました。
今から考えると、万年筆に引き寄せられました。とある文具店の前を歩いていたところ、なぜかショーケースが目に入りました。実は、今まで万年筆を敬遠していた理由の大部分は、あのガラスのショーケース。
敷居が高く、さも、お前は場違いだ!と言うが如く並んだ万年筆たち、あと少し見ているだけで話しかけてくる店員の方も、ちょっと苦手な要因でした。しかし、この時は万年筆が並んでいるショーケースの中をふと覗いてみたくなりました。敷居が高いガラスのショーケースが、その時からは「おいで、おいで♪」と誘っているように感じたのです。
誘われるままショーケースを見に行ったとこまではよかったものの、ショーケースを見ながらどれが良いものなのかさっぱり分からないというのが本音でした。私が見ながら困惑してたその時に「お試しください!」と店員さんが持ってきたのが「カスタム74」の試し書き用のセットでした。
それまで万年筆に全くと言っていいほど無頓着だったので、万年筆に触れる自体がまず初めて。おそるおそる書いてみると、その書き味にはとにかくビックリ。「なんだこれ!」と衝撃が走りました。今まで使っていたボールペンはなんだったのか、と。
書き具合に惚れ込んでしまい、この子は絶対お持ち帰りしたい。
そのように私に即断させました。この試し書きをする前までは「万年筆」に対する私のイメージは最悪でした。書き味はガリガリ、そしてインクがしょっちゅう漏れるというのが、使わず嫌いだったときの印象でした。しかし、実際に試し書きをしてみると評価は一転。
万年筆は他の筆記具とは比較にならないほどキモチがいい、ということがようやく分かりました。最高の道具と出会えてうれしい感覚と、この書き心地を知らなかった年数を悔しく思いました。(振り返ると、19歳のタイミングで知ることが出来たのは幸いでした。)
そして、この1万円で買ったパイロットのカスタム74が、私を更なる万年筆好きへと引き込むことになったのです。
カスタム74の見た目は、いかにも万年筆!
目立った特長は逆にないのが、特徴の万年筆。
両端が丸みを帯びていて、バランス型になっています。また、カラーリングもいかにも万年筆な金と黒が使われています。他にもディープレッド・ダークブルー・ダークグリーンの4色展開です。
そして、似ている万年筆カスタムヘリテイジ91との違いは、金のたまがついている丸クリップです。(このクリップについている金の玉が原因で、手帳のお供にするのは止め、その後ヘリテイジ91を購入しました)
今までの筆記感を一新させたカスタム74の書き味
小ぶりな5号ニブは14金。ブラックに限ると8種類のニブが選べる。
極細字(EF)ながら、フローが良いです。
パイロットのカスタム74だからこそ惚れたんだと今では思います。書いていて本当に気持ちが良かった。インクの出は淀みなく、絶妙な筆跡を紙に残していきます。また、ほぼ日手帳の升目に書いても字が潰れることがなく、ほぼ日手帳に字を書くことが好きになりました。
写真では、5mm幅のメモ用紙に書いたが、線の強弱が出やすく、パイロットが「跳ね、払い、押さえ 日本の文字に合わせた書き味」と宣伝するように日本の文字との相性はやはり抜群でした。
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
万年筆売り場は、意外と敷居高くない! 本格万年筆の入門モデルとは良き出逢いをしました!
です。
一番はじめに万年筆を買ったときの想い出話。(10本までの企画:高級万年筆購入の想い出話は、こちら!)
持っている万年筆への愛を確認したく、一気に書き上げました。カスタム74は私を万年筆愛好家へと導いた運命の一本です。パイロットの渾身の万年筆なので、個体差も少なく書き味も抜群です。通販で買っても当たり外れが殆どなく、安心して買える数少ない万年筆の一つだと思います。
カクノというパイロットの万年筆を紹介したのですが、カクノで万年筆の魅力にハマった人にランクアップとしてこれはオススメしたい万年筆です。万年筆が一過性のブームで終わらず、定着してくれることを切に祈りたいと思います。