「ヘリコ (helico)」の諏訪 匠氏が作製した ミニサイズの万年筆『シュクル』。
香川県に工房を構え、万年筆やガラスペン、ボールペンなどの作品を製作する「helico (ヘリコ)」。出来上がった完成品のお披露目を見るたび、「是が非でも欲しい!」とココロを揺さぶられていました。そこで 今回の記事では 即売会のときに伺った話を交えつつ、入手した万年筆(シュクル)について紹介します。
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記事の内容をざっくり紹介!
- コレは可愛らしい!ヘリコ (helico)のちっちゃな万年筆『シュクル』
- 素材の魅力を存分に引き出す「諏訪氏」の卓越した技術。
- 諏訪さん曰く、混合素材や多角軸だと手間がかかる。
- 調整まで行ってから、出荷へ。
- まとめ: 一つ一つ愛情注いで作り上げられたのが分かる「helico」の作品。すっかりヘリコのファン。
コレは可愛らしい!ヘリコ (helico)のちっちゃな万年筆『シュクル』
フランス語で 「砂糖」を意味する『シュクル (Sucre)』は、ベリーショートな万年筆。
キャップを閉めた収納時は コンパクトで、長さは 約87㎜。でも、キャップをはずし、胴軸後ろのネジ部分に取り付けて シュクッと回す。そうすると、ボディは 筆記に問題のない長さ(=約123㎜)になります。
そんな「ちんまり・シュクル」に 装飾はありません。そして、取り付けた部分の段差も殆ど気にならず、一体となったラインがキレイです。(キャップと後部のネジ切を合わせるのに、最初は手こずりました)
素材の魅力を存分に引き出す「諏訪氏」の卓越した技術。
選ばれた角材(ペンブランク)を加工。切削や柄合わせ、研磨などの工程を経て、作り出していく。
作品の出来栄え・外観の美しさに大きく直結する「切削」と「研磨」。
特に、研磨技術は「見事」というほかになく、感覚を頼りに丹念に磨き上げられ、薄っすらとした小傷の気配さえ感じさせない「スベスベで艶やかなボディ」に仕上げています。(オレンジのキラキラ軸が好きなので、イタリア産のキレイな万年筆を何本か持っているのですが、それらと比べても遜色ありません)
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透明度が高い「Water」シリーズ↓は、内側も研磨しているので 金額に僅かに影響、とのこと。
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諏訪さん曰く、混合素材や多角軸だと手間がかかる。
最高の作品をつくりつづけるため、アグレッシブな諏訪さん。
異なる素材(木 & アクリル樹脂)が混ざった混合樹脂は、特に「切削加工」が緊張する。
回転させ、刃をあて削っていく…。しかし、異なる素材で構成されているため、刃の入り方に差があり、刃が逃げてしまう。細心の注意を払ってチマチマと削るので 激しく消耗する、とのこと。
一方の多角軸。「切削加工」の方法そのものが変わり、一面ずつ削っていくので、かなり手間がかかる。
調整まで行ってから、出荷へ。
「ヨーロッパタイプのショートカートリッジ」が使える仕様。
軸の色に合わせるのも良し、樹脂の名前(入手したコレは「Autumn Gold」)に合わせるのも一興。自分の場合は、軸に合わせ「ビルマの琥珀」(エルバン)を差し込み、スラスラ細めの字を書き連ねる…。
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
一つ一つ愛情注いで作り上げられたのが分かる「ヘリコ(helico)」の作品。すっかりヘリコのファンです。
です。
妥協せずに、抜群に素晴らしいものをつくる「ヘリコ (helico)」の諏訪 匠さん。
万年筆サミット2016で並んだ「シュクル」の一本が 私の好みにぶっ刺さり、とても魅力的だったものの、出来合いの品。次こそは、がっつりオーダーしたいものです。(手間がかかるって言ってたけど、八角軸イイなぁ〜。やっぱ、雰囲気が違うオレンジ系の樹脂かなぁー、いやいや、多少値段が張っても混合樹脂にも惹かれる、と妄想が止まりません…!)
そしてそして、香川にある「ヘリコ (helico)」の工房、ぜひ訪れたいものですね。