「インキ染め・拭き漆」が施された スティロアート製の万年筆。美しき玉杢+煌めく色艶

万年筆のインクで木の軸を染め、「拭き漆」を幾度も施した万年筆(Stylo Art / 数野元志氏 作)。

木地を染めたインクの色によって、木の立体的な美しさが強調。一風変わった万年筆を求めていて、こんな佇まいの軸を見つけ 蠱惑されました。今回の記事では インキ染めが生まれた経緯も交えつつ、入手した万年筆(インク染・拭き漆 × モデル「タウト」× タモ・玉杢)について紹介します。

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記事の内容をざっくり紹介!

  1. 「インク染・拭き漆」の最初の完成品が、想像と異なる色合いに。
  2. オレンジ色のインクで染まった「タモ玉杢のタウト」
  3. ペン先は、パイロットの「BB(極太)」(10号)をチョイス!
  4. まとめ: インキ染め・拭き漆、綺麗で最高。手が掛かった逸品に間違いなし。

「インク染・拭き漆」の最初の完成品が、想像と異なる色合いに。

F inksome「木」×「漆」×「インク」の組み合わせで、大きく変わる色合い。

数野氏曰く、顔料を混ぜた 色のある漆を塗り重ねると、木の良さである木目が見えなくなってしまう…。一方、顔料を入れていない元々の漆は透明なので、塗り重ねていっても木目を活かすことができる。

しかし、色の出方に「劇的な変化」を起こしてみたくなり、物は試しと 万年筆のインク(パイロット社のブルーブラックインキ)で染めて、拭き漆を施すこと十回。出来上がりの色は予想とは異なり、緑色が浮き出る「深青緑色」に。(写真上)

 

「インキ染め」という手法に 面白さと手応えを感じた 数野氏。

「木の種類によって仕上がりが異なるコトに加え、インクという要素が入って試行錯誤の連続。なかなか狙い通りの色を出すのは難しいけれど、まずは、やってみること。次は、どんなインクにしようか?」

目を輝かせて、木や作品のコトを教えてくれる数野氏。作品も勿論ステキですが、気さくな人柄も含めて、すっかりファンになりました。東京での次の展示販売会、今から指折り数えて待ってます♪

催事・展示販売会のお知らせ Event – スティロアート 軽井沢 Stylo Art ~ 手作り万年筆と木の筆記具~

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オレンジ色のインクで染まった「タモ玉杢のタウト」

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新作情報で写真を見かけたときは、「赤色?」と判断した 此の作品。ただ、染めるのに使ったインクが「プライベートリザーブ社のオレンジクラッシュ」だと知ったコトで、俄然、興味が湧きました。

そうこうして 展示会で現物の確認。日陰に置かれていたこともあり、第一印象は想像よりも濃くて暗い。ただ、「明るい自然光で 見てみてよ!」と数野氏に促され、場所を移動してみると 魅力を存分に発揮。

木の性質「柔らかさ・硬さ」に応じ、インクの色がしっかり入る場所と鮮やかな場所を齎し、更には「拭き漆」を何度も施したコトで、色の差異 & 杢の美しさが より顕著となって ポワッと多層に煌く。

 

この「タモ玉杢」×「オレンジクラッシュ」の組み合わせは、嗜好のど真ん中にドーン!

ぐわっと浮き出た雰囲気&色もツボですし、杢の表情(うねり・タマ)も好み。また、キャップとボディの木目がピッタリ揃うコトにも改めて感激し、すっかりゾッコン。我が物にしたくなりました。

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ペン先は、パイロットの「BB(極太)」(10号)をチョイス!

DSC00880DSC00882DSC00886グリグリっと使える「太字」(B)が欲しかった!

10号・BBニブをつけて入手しましたが、結果的に、このニブは 以前にスティロアートでオーダーした別の万年筆に換装。今回入手した「インク染・拭き漆 × モデル【タウト】× タモ・玉杢」には、10号ロジウム・FA(フォルカン)をつけました。

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☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!

今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、

インキ染め・拭き漆、綺麗で最高。手が掛かった逸品に間違いなし。

です。

 

オレンジ色インク染・拭き漆 × タモ玉杢のタウトは 良き出会いだったなぁー。

昨年11月に入手した この万年筆。入手時よりもツヤが増しているようで、ドンドン好みになっています。そう考えていくと、「違う木種もいいよねぇ…、色彩雫の「夕焼け」で染めたモデルはどんな風に成長するのかな?」も気になって…。『インク染・拭き漆』、やばいよー、こわいヨー、コワイよー。

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