「スティロアート(Stylo Art) 軽井沢」の数野元志氏が作製した万年筆。
標高1000㍍の北軽井沢に工房を構え、様々な木材を使って 万年筆をはじめとした筆記具を製作する「スティロアート軽井沢」。今回の記事では スティロアートにオーダーしたときのコトを交えつつ、特注した万年筆(タイプB.O. × ペン先はフォルカン・FA)について紹介したいと思います。
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記事の内容をざっくり紹介!
- スティロアート軽井沢がつくった オレンジ色の樹脂軸万年筆に誘われて。
- 「スティロアート軽井沢」(Stylo Art)の万年筆を イベントにてオーダー!
- ベースのモデルを確認。そして、選んだのは「ビーオー(B.O)」
- 特注した万年筆が納品、出来栄えは最高♪
- 紙あたりがやわいフォルカン(FA)
- まとめ: 好みが全部乗せのスティロアート製特注万年筆。フォルカン・FAニブに慣れるぞー♪
スティロアート軽井沢がつくった オレンジ色の樹脂軸万年筆に誘われて。
オレンジ色、それも透明感のある万年筆が 私の大好物です。
そのような嗜癖から、木軸の万年筆には多少の興味を持っていましたが 後手に回ってしまい、もしも手にする算段がついたら「そのときは オレンジで連想する木材・ペルナンブーコ、もしくは ブライヤーが良さげだなぁ〜」と漠然と考える程度でした。
そんな訳で スティロアート軽井沢の存在をはじめて知った際、目をつけたのは木軸ではありません。『クラッシュオレンジ』というレジン樹脂を用いた万年筆でした。(モデル名は プリンスジョージ)
交錯するオレンジの結晶。軸の見た目が好みだったので 注文しようかなと思って読み続けていくと、【ペン先について】の記載(ステンレスM または日本製14k金ペン先 Pi5号)が気になりました。
価格を上乗せすることで、パイロットの5号ペン先(EF・F・SF・FM・SFM・M・SM・B・BB・C・MS)を選択肢として選べる。そのことに胸がふくらみ、「軟調(ソフト)ニブがいい!いやいや、C(コース)ニブも捨てがたい…。うーむ。」と 購入の一歩寸前まで来ていました。
しかしながら、万年筆はウェブ上ではなく、自分の目で見た上で。
それも せっかくならば 作り手から直接購入したい!というのが やはり実情。限定1本限りという情報に心を乱されつつも、次の催事までに売れてしまっていたら 縁がなかったと思って諦めよう…そう心に決めて、イベント出展の報を待ちました。
すると、2016年1月に代官山の蔦屋書店にて開催予定の即売会「ステーショナリーマーケット」への出店を知ることになり、その開催を今か今かと楽しみに待っていました。
「スティロアート軽井沢」(Stylo Art)の万年筆を イベントにてオーダー!
スティロアートのブースへ行き、色々なモデルの木軸万年筆を見始めると…。
会場に着き、樹脂軸の万年筆について聞いてみると、幸いなことにまだ在庫がある、とのこと。
そこで 作り手である数野元志氏との会話を楽しみ、ソフト調中細字(SFM)がいいかなと考えつつも、並んでいる木軸に目をやり手に取ると、杢と鼻をくすぐる芳しい木の香りに魅了されていました。
それでも 透き通ったキラキラしたオレンジ軸こそ、好みのド真ん中。
軸はオレンジのレジン、字幅も5号・SFM (ソフト調中細字)で ほぼ内定。ただ、「グレードアップさせて、パイロットの10号ニブや、セーラー万年筆の21Kペン先、プラチナ万年筆のペン先は選べるのか?」については 非常に気になっており、せっかくのビスポーク品ならばと 伺ってみるコトに。
すると、「オーダーメイドの形で 受けつけますよ!」(ニッコリ)
そうです。スティロアートは 万年筆の軸のデザイン、素材、そしてペン先まで選ぶフルオーダー形式。ウェブショップに載っているモノは その一部に過ぎません。それならばと 一旦は決まりかけていた万年筆の様相は白紙に戻し、どのモデル(デザイン)を選ぼうか 改めて吟味することにしました。
ベースのモデルを確認。そして、選んだのは「ビーオー(B.O)」
装飾をつけず、シンプルに軸の素材を楽しむことを念頭に作られた3種のベースモデル。
キャップを付けずに使うタイプの「アサマ」(シンプルなストレートライン、シュッとした雰囲気)、胴軸より キャップがやや太い キャップを胴軸に付けることが可能な「タウト」(アサマより太め)。
そして、キャップと軸径が同じ太さの「ビーオー(B.O)」(1900年代初期の万年筆がイメージ)。
3つのデザインには それぞれの良さがあります。
さてさて、どういう完成型を目指そうかと唸っていたのですが、見た目も踏まえて 持ったときの感触・バランスを確かめてみると、「B.O.(ビーオー)」にと すんなり決まりました。また、理想的な万年筆を作ってもらう上での要望(軸の材料はレジン・オールオレンジにしたい)も伝えました。
すると、「オプション扱いになるけど、黒系の天冠と尾栓をくわえることで、軸の見た目がスッキリ引き締まって格好良い!」と提案をもらい、快諾。天冠・尾栓には黒檀を使用することにしました。
オーダーする万年筆の軸のデザインと素材選びは終了、残るはペン先です。
此処でパイロットの10号ニブに話は戻ってきます。5号ペン先の11種類に加えて、イレギュラーニブ4種類(PO = ポスティング、FA = フォルカン、WA = ウェーバリー、SU = スタブ)総勢15種類から選択可能な10号ニブ。ずっとフォルカン(= FA)は欲しかった訳ですが、黒い万年筆(カスタム742 or カスタムヘリテイジ912)はどうにも買う気が起きずにきました。
しかし、熱烈に欲しいオレンジ色の万年筆に装着できるコトは非常に大きな魅力であり、今回のペン先にはフォルカンを選びました。これにて注文は完了、商品の完成を首を長くして待ちました。
ちなみに、お金を更に出すコトで より大きな15号ニブも選ぶコト(FA選択可能)は可能です。ただし、試し書きをしてみたところ、一番しっくりときたのが ロジウムメッキ加工の10号FAでした。(カスタムヘリテイジ912)
特注した万年筆が納品、出来栄えは最高♪
期待と不安が入り混じり、ドキドキワクワクしながら待つ日々。
スティロアートにお任せした今回の万年筆。イベントにて受け取る予定になっていたのですが、その催事場(ぎゃらりい茶屋町三番地)へ行く道中では、正直なところ 心配の気持ちが勝っていました。
(もしも、オレンジの色味が 好みではなかったら…。もしも、オプションでつけてもらった黒檀の天冠・尾栓のイメージが全く違うものだったら…。ガッカリしないように期待値を少し下げよう…。)
そんなことを考えつつ歩いていると、会場に到着。
即座に対応してもらい、待望のオーダー万年筆が手渡されました。いざ、包みを開封、目に飛び込んできた万年筆の第一印象は「眩しいほどのオレンジ色がイイ!」と「デカい!」でした。
それもそのはず。この万年筆の全長は なんと160mmもあり、その姿は威風堂々。オプションとして付けた黒檀の天冠・尾栓の作用で、B.O.全体の雰囲気はキリリと締まってみえます。その相乗効果は素晴らしいもので、軸のオレンジ色に随一の鮮やかなさと力強さを感じるほどでした。
紙あたりがやわいフォルカン(FA)
念願だったフォルカン(FA)、筆圧をかけると途端にペン先が開いてしまいます。
まだまだ全くといっていいほど慣れていませんが、文字の抑揚が出やすいペン先なので 使いこなせるようになったときが楽しみです。
ちなみに、スティロアートの万年筆には3種類のモデルがあり、その中で B.O.だけは オリジナルの首軸を使っています。もしも、アサマとタウトであれば首軸を付け替えて、別のニブにできるのは嬉しいですね。入手したB.O.は出来ないので、フォルカンと末長く付き合っていきます。
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
好みが全部乗せのスティロアート製特注万年筆。フォルカン・FAニブに慣れるぞー♪
です。
あぁ…すごい…(恍惚)。
スティロアート軽井沢に特注した万年筆、東京の谷中「ぎゃらりい茶屋町三番地」で行われた催事「良いモノ一生モノ出会い展 7」 の初日(2016年5月27日)に受け取ってきました。今回オーダーしてお迎えした万年筆以外にも、木軸の万年筆(キャッ○レスも)、鉛筆ホルダー、芯ホルダー、シャープペン、そしてボールペンなどなどステキなモノが数多く見れました。
なにかあったら対応してくれるので、出来上がった自分だけの1本をガンガン使って愛でていこうと思っています。そして、なにはなくとも スティロアートさんの北軽井沢にある(住所では群馬)工房は ぜひ訪れてみたいです♪
スティロアート 軽井沢 Stylo Art ~ 手作り万年筆と木の筆記具~ |