飴細工を思わせる優しい色調の胴軸。そして、全体の雰囲気は ペリカンのスーベレン!?
ドイツの老舗ブランド・ペリカン社の傑作シリーズ「スーベレーン (Souverän)」のシンボルといえば 軸の縞模様。しかし、今回紹介する万年筆は スーベレンM800がベースとなっていますが、胴軸部が定番の黒金・緑縞 (ストライプ)ではなく、過去に登場した限定品とも異なります。
それもそのはず。この万年筆は ボディ部分にカスタマイズ (Custom Binde) が施された曰く付きの品。ただ、この軸の見た目は「理想」と思い描く「そのもの」だった為、すべからく入手しました。
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記事の内容をざっくり紹介!
スーベレーンM800の胴軸カスタマイズモデル、偶然の発見。
「第16回ペン・トレーディング in 東京」にて 出品されていたイレギュラーな品。
ブースに居並ぶ万年筆を見ていたところ、一本の万年筆に目が留まりました。
あのクリップは ペリカンのスーベレン? でも、あんな色の軸なんてあったかな?? 茶縞だとすると、色が明るいような…。 そう思って 手に取ると、軸の色相に驚きました。好みの色 (オレンジ、ゴールド、イエロー、朱、白)の集合体が筋を成しており、すっかり一目惚れ。
そして、本題。
おそるおそる「この万年筆は限定品なのか?」と出品者に聞いてみると、「ペリカン正規の品ではなく、スリーブ部分を改造したモノ」と判明。その得体のしれなさは承知した上で 購入しました。
[memo title=”MEMO”]「胴軸のカスタマイズ」=CB (Custom Binde) とは…
シリンダー部品(吸入器)の上に被せてある「コットン素材の縞模様のスリーブ」(“sleeve” or “bind”)を剥がし、そのサイズに合わせて作成した別の軸材を填めるコト。
[/memo]
トドメ! ペン先にはPF刻印、母体は初期型モデル。
ルックスで悩殺。更にダメ押し。
ペリカンの万年筆は M800・バーントオレンジや緑縞、M320のオレンジ等 幾本か持っています。
そこで「ニュアンスが手持ちとは異なる半透明のオレンジ軸」が、もしも「ペリカン社」から発売された暁には 絶対欲しくなる、と思っていました。そして、その希望の八割方叶ったワケです。
「デルタ社のドルチェビータ」や「アウロラ社のマーレ・イオニア」のようなブロックレジン、はたまた「ペリカン社のスーベレンM320・オレンジ」のマーブルタイプのレジンでもない。
オレンジ色と他の色とで作った「やわらかな色遣いのストライプ模様」にイチコロでした。
「M800が土台」&「軸の姿」に魅惑されており、既に心は決まっています。
その高まっていたキモチにアクセルをかけたのは、胴軸カスタマイズの母体となった「スーベレンM800」が初期型と云われるものだったコトです。天冠部分は金のロゴ、尻軸に金属、そして、ペン先の根元部分には「PF」という刻印。
潜在していた願望が 隅から隅まで具現化したような万年筆に出逢えたコト、正しく幸運でした。
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
タイミングがあって出会えた理想的な万年筆。一期一会を実感。
です。
陽だまりで のんびりと日向ぼっこをしているようなイメージ、すごくカワイイ。
胴軸カスタマイズのオーダーは自分でしていないワケですが、期待を大幅に超えた個体と出会うことができました。数々のオレンジ軸を手にした今だからこそ、この嬉しさは桁違いです♪
ちなみに、この万年筆を出品していた方も 10年ほど前にオークションで入手したとのコトで 情報が殆どありませんでした。ただ、スリーブ等の少ない情報から「詳細」を求めて 言葉を変えつつ 検索してみたところ、「Custom Bindes」がようやくヒットしました。
尚、この個体を手がけた方は 現在この活動はしていません。