万年筆振り返り企画も、今回が8本目になりました^^
以前モンブラン銀座本店へ持っていった#1246同様に、譲り受けたものです。
それでは、この万年筆No.22の思い出、そしてこの万年筆の特徴についてです。
この記事の内容をざっくり紹介!
目次(ざっくり内容紹介)
回想 ~祖父の思い出と今を生きる~
「元貴が書く字は、おじいちゃんのによく似ている。」
私が書く字を見ながら、祖母がしみじみと言ったことだ。
私の祖父は、税理士だった。
しかし、私が幼稚園の頃に亡くなったので、正直言えば、うすらうすらと覚えているだけ。そのため、祖父の人物像は、縁のあった人達から話を聞いてイメージしたものだ。
そのイメージは、頑固一徹、仕事一筋で口下手な男。そして、ハイカラ好き。
前半部分が合っているかは分からないが、ハイカラ好きなところは似ているのかもしれない。
そして、時は経ち、ある日祖母のペン入れに無造作に置かれている2本の万年筆に気付いた。一本は、シンプルで装飾のないこのNo.22、そしてもう一つは金ピカなハイカラな万年筆。
No.1246 祖父が使っていた金ピカなビンテージ万年筆。≡
残ったものを使用せずに、20年近くペン立てにさしていたらしい。
「年代ものだし、長期間書かなかったから書けないと思うよ…。でも、使えるならやってみな。」という祖母の声を聞き、洗い場に持っていった。
時間をかけて、丁寧に洗う。
洗うといっても、水を入れた容器にペン先をつけ、インクが滲み出すのをひたすら待つだけ。何度も何度も水を替えて。
2,3日繰り返していたら、中のインクは滲み出し尽くして無色透明な水となった。
使えるかどうか分からなかったので、手元にあったインクで確かめてみた。
「問題なく使えるよ!」
祖母は、私が書いた落書きを見ながら言った、最初の言葉を。
なんだか祖父の人生を引き継ぐようにも、今の私を応援してくれているようにも思えた。いま、孫の私の手に祖父の2本の万年筆がわたったのも、きっと偶然ではないのだろう。
まだまだ想像つかないけれど、将来自分の大切な人(次の世代)に託せたらいいなぁ。
MONTBLANC No.22のルックスチェック♪
書いた感じ+使っているインク
シンプル、そして細身。
あまり目立たないような存在ですが、ホワイトスターが輝く親しみやすい万年筆です。
私の手があまり大きくないので、キャップを付けなくてもギリギリ筆記可能な長さですし、キャップを尻に挿した時の重量バランスも考え抜かれた持ち味です。
ツルッとした表面と堅牢さ、意外と滑らかで美しい見た目、写真では分かりにくいですが60年代に出来たと思うと感慨深く、まさに本物のドイツ品質のペンです。
ただ、古い万年筆ということもあり、樹脂が割れやすく持ち運びにはちょっと怖いです。
嵌合式のキャップをとると、胴軸の青色のインクビュー、そしてウイングニブが登場します。遠慮がちに見えるニブが可愛らしく、質素ながらも本格的な回転吸入式で、インク吸入を楽しむことができます。
今回は、インクビューの色に合わせて、パイロットの色彩雫の月夜を入れることにしました。
そして、万年筆を嗜んだ人がハマりやすいヴィンテージ万年筆、ウイングニブの書き心地はすごく滑らかです。
遊びのための儚さを感じさせるような繊細な軟らかさではなく、信頼感があり、疲れを感じさせない実用的かつ夢心地なペン先だと思います。
とても小さなニブですが、全体を受け止めてくれる安定感。
インクフローも良いので、すぐに臨戦体勢をとることが出来ます。
もし、素材が頑丈だったらビジネスしてる方には最高の万年筆だったと思います。
☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!
今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、
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引き継いだ万年筆。大切に使っていきたい一本。
です。
私の好きな曲の一つに、福山雅治さんの「生きてる生きてく」があります。
歌詞の中で、「100年1000年前の遺伝子に褒めてもらえるように いまを生きてく」という部分が、私は好きです。
私にとって見えやすい形の祖父の遺伝子が手元にある。
この万年筆でこの記事の下書きを書きながら、思わずニヤリとしました。
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