デルタの万年筆・ドルチェビータ マスターピース。エネルギッシュで幻想的な佇まい

デルタを象徴するオレンジ&ブラックを斑模様で表現、『マスターピース』コレクション。

「格好良い! でも、マーブル調の軸は個体差が激しいから、じっくり選びたい」、それが 『マスターピース』発売の情報を 2015年末に得ての第一印象でした。程なくして販売が開始、売り場で見つけるたび、どの模様が好みかどうかと吟味していたのですが、選択肢の多さに絞れなくなってしまい断念。

「気になっている品だけど、ピンとくる柄に出会えてないし…」と ズルズル引き伸ばし傍観していると、デルタ社(DELTA)の廃業宣告「いずれ買うのならば、軸が選べる内に…」と販売店へ急行。そこで 在庫品を並べてもらったところ、キュンとなる品と巡り会いました。

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混ざり合ったオレンジ&ブラック、『マスターピース(masterpiece)』コレクション。

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ドルチェビータの色づかいを 橙黒の斑模様に投影した『マスターピース』コレクション。

「オレンジ」と「ブラック」が入り交じった柄・模様の出方は千差万別。ボディの表情は 1本1本それぞれ異なるため、モノによっては「黒色の成分」が多かったり、「オレンジ色の成分」が多かったり…。

そうして軸面を何本も見比べていく中で、念入りに確認していた譲れないポイントが「黒のうねり」の入り方

全体的には「オレンジ色」が多く、「黒色」は少なめ。また、その「黒の部分」に関しては 丸みのある斑(ぶち)ではなく、細い波状。そんな見た目の軸を探していたのですが、なかなか出会えませんでした。

決定打がなく、遠巻きにして眺めていると、デルタ社(DELTA)危うしの噂が聞こえ始め、関心のボルテージは 再び上昇。久々に売り場を物色してきたものの、心情としては一歩引いて構えており、まだまだ在庫が残ってるみたいだし、今じゃなくても大丈夫…と ブレーキがキキっと働き、一旦、落ち着くコトに。

そうしてふらふらと揺れていたところに、デルタ社廃業の知らせ。留めていたストッパーが外れたので、本腰を入れて『尋ねマスターピース』。ただ、理想を求めすぎると、埒が明かない + あの柄が好みだったと 後々悔やむのは目に見えていたので、1日で巡れたお店のストックの中から決めると マイルールを設定。

幸いにして 動き出しが早かった為、見れた本数は 全部で30本と多め。

これは、此処がなぁ…。あっちのは アソコが アレで…。強いて買うのなら、其れが良さそうだけども、強いてってのもナニだしなぁ…。でも、帰宅後に あれが「正解」だったともなりそうだし…。うーんむ…。 あれやこれや考えつつ、お店を廻っていき、このお店が最後ぐらいかなと 出会いを念じて入店。

並べてもらったマスターピース群。其の群れの中に「このコが好きだ…!」と直感したヒトメボレボディそこからは 即断即決でした。

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デルタ社(DELTA)の万年筆のオレンジ色って、緻密で綺麗! 鮮やか!

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結晶が重なり合う「ブロックタイプのレジン」(樹脂)から外れた系譜。

持っていた他の「オレンジ軸」とは毛色が異なり、ずっと気になっていた『マスターピース』

複雑に混ざり合った「しっとりブラック」と「黄味の強いオレンジ」のバランス。その「オレンジ色」は のっぺりとしたオレンジ一色ではなく、もふっとした毛並みを感じさせるほどの立体的な表情さえあり、「トラ」を まことしやかに思い起こさせるほど。

とろとろに煮詰めた「濃厚・みかんシロップ」みたいなツヤツヤ感。夕日に照らされた雲、盛る炎のようなキラユラ具合。そして、うっすらと黒い箇所が透ける塩梅。様々な表情を愉しめるゆえ、意中の柄を求めて妥協せずに探してきましたが、結果的には大満足のブツを手にしました。

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ペン先は「太字」(B)、書き味も ゴキゲンで♪

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完全なる「軸買い」だったので、書き味は大外れじゃなければ オッケー。

ペン先が平たい形状の「B」(太字)ニブ。調子は悪くなかったものの、書いていると、立っている角が気になった為、ダイヤモンド株式会社が開催した「ペンクリニック」へと持ち込み。左右のバランスを整えてもらい、角を落としてもらったコトで『ドルチェビータ・マスターピース』の機嫌は滅法良くなりました。

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☆ココ↓掘れ、ざっくざく!!

今回のココ↓掘れ、ざっくざく!!は、

デルタ(DELTA)、栄光のラスト・オレンジ。DOLCEVITA MASTERPIECE COLLECTION “ドルチェビータ・マスターピース・コレクション”。

です。

デルタのブランドアイコンカラー「オレンジ色」をつかった最後のモデル。

大きくて、太めの『マスターピース・コレクション』。マスターピースの尾軸部分はクルクル回すと外れ、ピストンフィリング・コンバーターと連動し、インクの吸入が可能という変わったつくりをしています。(従来通り、胴軸を外してのインク吸入も当然可能。/ コンバーター・カートリッジ両用式)

そんな「謎」仕掛けもあるマスターピース。

そういえば、発売の情報を知った際に 残念な変更点と思った箇所は 銀色のリング部分が真鍮に鍍金加工だったコト。ドルチェビータといえば、オレンジと黒と銀。そして、そのスターリングシルバーのリングが段々と鈍さを醸し出す風合いがたまらなく好きだったので、値段そのままなのに…、業績良くないのかな…とモヤモヤしてました←

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